オーディエンスレスポンスシステム:2026年おすすめ10選
ARS とは何か、クリッカーとWebツールはどう違うのか、そして主要10ツールを料金・参加人数・用途で徹底比較します。
本記事は独立した比較レビューです。Poll Everywhere, Inc. とは提携関係になく、同社の承認を受けたものでもありません。
講師が45分のウェビナーを終え、最後のスライドに切り替えて、おなじみの一言を投げかけます。「終わる前に、何か質問はありますか?」——200台のカメラはオフのまま。チャットには「いいね」が1つ。あとは沈黙です。
あの気まずい沈黙を、誰もが経験したことがあるはずです。参加者に言いたいことがないわけではありません。ただ、手軽に発言する手段がないだけなのです。オーディエンスレスポンスシステムは、そこを解決します。受け身だった聴衆を、能動的な参加者へと変えるのです。参加者は投票し、アンケートに答え、質問を投げ、その結果が数秒で画面に映し出されます。
本記事では、オーディエンスレスポンスシステムとは何か、クリッカー端末と今どきのWebツールはどう違うのか、そしてどんな回答形式を集められるのかを解説します。そのうえで、2026年のおすすめツール10選を比較し、選び方のチェックリストと授業での活用法まで紹介します。今のARSはブラウザで動くため、物理的なクリッカーを配る必要はもうありません。
オーディエンスレスポンスシステムとは?
オーディエンスレスポンスシステム(ARS)とは、聴衆のリアルタイムな投票・アンケート回答・クイズの解答・質問をその場で集めて表示する仕組みです。発表者が質問を出すと、参加者は手元の端末やWebブラウザから回答し、結果が瞬時に画面へ映し出されます。一方通行のプレゼンテーションを、双方向の対話へと変えてくれます。
オーディエンスレスポンスシステムは、もともと物理的なハードウェアから始まりました。会場の一人ひとりに配られる、小さなキーパッド型の「クリッカー」です。現在はWebベースが主流で、参加者はすでに手元にあるスマートフォンやノートパソコンから回答できます。教育現場では授業向けのものを「クラスルームレスポンスシステム(学生応答システム)」と呼び、イベント業界では「リアルタイム投票」と呼びますが、根本の発想は同じです。聴衆に声を与え、その声を可視化することです。
クリッカー端末とWebベースのシステムの違い
Webベースのオーディエンスレスポンスシステムは、ほとんどの場面でクリッカー端末に取って代わりました。ただし、特定の場面ではクリッカーが今も優位に立ちます。両者の時代を比べてみましょう。
クリッカーの時代。 かつてARSといえば、番号付きキーパッドが詰まった箱を指しました。参加者一人ひとりが「クリッカー」を受け取り、ボタンを押して回答すると、発表者のパソコンに挿したUSB受信機が票を集計しました。Audience Response Systems, Inc. や QOMO といったベンダーは、今もこうしたキットをレンタルしています。信頼性は高いものの、端末1台ごとにコストがかかり、充電や在庫管理が必要で、持ち込んだ部屋でしか使えません。
Webベースの時代。 2010年代半ばごろ、「自分の端末を持ち込む(BYOD)」という流れがすべてを変えました。誰もがスマートフォンを持つようになり、Webベースのシステムなら、聴衆はQRコードを読み取るかリンクをクリックするだけで回答できます。アプリストアも受信機も、なくしたクリッカーもありません。発表者が1つの画面を共有すれば、あらゆるブラウザから回答が集まってきます。
では、クリッカーが今も理にかなうのはどんな場面でしょうか。主に3つの状況が挙げられます。
- Wi-Fiのない部屋。 携帯の電波が届かなかったり、ゲスト用Wi-Fiが厳しく制限されていたりすると、Webツールは機能しません。無線周波数(RF)方式のクリッカーはインターネットを必要としないため、ホテルの会議フロアが全端末の通信を絞っても問題なく動作します。
- 厳格な試験。 スマートフォンが禁止された監督付きの試験では、専用キーパッドを使えば全員をオープンなWebから遮断できます。こっそり検索を挟むブラウザ自体が存在しない——それこそが、締め切られた試験環境の狙いです。
- 高齢者や不慣れな参加者が多い場合。 ログイン不要で押すだけの物理ボタンは、QRコードに慣れていない層にとって最も摩擦の少ない選択肢になることがあります。ボタン1つ、回答1つ、アカウント作成は不要です。
もちろん、トレードオフは逆方向にも働きます。クリッカーは1台ごとに実費がかかり、毎回のセッション前に誰かが充電して数を数えなければならず、紛失や電池切れがあれば参加者は蚊帳の外です。しかも、キットを物理的に運べる部屋にしか対応できません。3州離れた倉庫にしまわれたボタンを、リモートやハイブリッドの聴衆が押すことはできないのです。
それ以外のすべての人にとっては、Webベースの勝ちです。コストが安く、どんな人数にも対応し、聴衆が1つの会場にいても6つのタイムゾーンから参加していても機能します。たとえば、学区の研修担当マーカスさんの場合を考えてみましょう。以前はキーパッド40台のカートを借り出し、どれも一晩で電池が切れていませんようにと祈っていました。今ではリンクを共有するだけで、40人でも400人でも同じ方法で回答してくれます。以降は、2026年の購入者が実際に探しているWebベースのツールに絞って解説します。
聴衆の回答形式の種類(具体例つき)
聴衆の回答形式は、いくつかのパターンに分けられます。優れたオーディエンスレスポンスシステムは複数の形式に対応しているため、目的に合わせて質問のタイプを選べます。実際によく使う形式を紹介します。
- 選択式アンケート。 定番の主力です。「最初にどの機能を作るべき?」——A、B、C、Dから選びます。結果はリアルタイムの棒グラフで表示されます。
- ワードクラウド。 全員が単語や短いフレーズを入力すると、多く出た回答ほど大きく表示されます。「わが社のブランドを一言で」といったお題に最適です。
- 自由記述。 長めの自由回答が画面に流れていきます。アイデアや感想を、そのままの言葉で集めたいときに便利です。
- 投票機能つきのライブQ&A。 聴衆が質問を投稿し、互いの質問に投票します。良い質問がチャットの流れに埋もれず、上位へと浮かび上がってきます。
- ランキング表示つきのクイズ。 制限時間、正解、得点、順位のあるクイズです。会場を競争ムードにする、クイズ番組型の形式です。
- 評価・NPSスケール。 「このセッションを1〜5で評価してください」。手早く温度感をつかみ、満足度を測れます。
- ランキング。 選択肢を好きな順に並べ替え、バックログの優先順位づけや勝者選びに使います。
授業での例を挙げましょう。アルバレス先生は32人のクラスで生物を教えています。講義の途中で、細胞分裂に関する5問のクイズを出題します。生徒はスマートフォンで回答し、各問のあとに上位3名の名前がランキングに映し出されます。ふだん一度も手を挙げない、後ろの席のおとなしい生徒が2位に食い込みました。とたんに全員が集中しはじめます。クイズが復習を2分間の勝負に変えたからです。これこそ、オーディエンスレスポンスシステムが本領を発揮した瞬間です。データを集めるだけでなく、その場の空気そのものを変えるのです。
2026年 オーディエンスレスポンスシステム おすすめ10選
Webベースのシステムのなかでも特に広く使われているのが Poll Everywhere と Mentimeter です。どちらもブラウザ上で無料で動き、アンケート、クイズ、ワードクラウド、Q&Aをひと通りカバーします。最適な選択は、聴衆の人数と目的次第です。Kahoot と Quizizz は授業向けのクイズゲームに強く、Slido と Vevox は企業のタウンホールミーティング向け、Wooclap と ClassPoint は授業に特化しています。以下では10ツールを比較し、それぞれを個別に紹介します。
料金は頻繁に変わり、多くのベンダーは発表者ごとの有料プランを備えたフリーミアム型を採用しています。そのため下の料金欄では金額を掲載せず、各ベンダー公式の料金ページへリンクしています。プランの詳細は2026年7月時点で各ページを確認済みです。購入前には必ずベンダーのページで最新情報を確認してください。
オーディエンスレスポンスシステム比較(2026年)
| Poll Everywhere | Mentimeter | Slido | Kahoot | Wooclap | Vevox | Crowdpurr | Pigeonhole Live | ClassPoint | Quizizz | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| こんな用途に | 大学の講義・研修 | 会議・ワークショップ | 企業のタウンホール・Q&A | 授業向けクイズゲーム | 大学での授業 | エンタープライズ・タウンホール | ライブイベント・トリビア | カンファレンス・イベントQ&A | PowerPointベースの授業 | 小中高のクイズ・宿題 |
| 無料プラン | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり |
| 参加人数の上限(無料プラン) | 少人数(プラン参照) | 月間の上限は少なめ | イベントごとに少人数 | プレイヤー数に制限 | イベントごとに制限 | セッションごとに制限 | エクスペリエンスごとに制限 | セッションごとに制限 | 保存できるアクティビティに制限 | 1ゲームあたり大人数対応 |
| 料金(リンク・2026年7月確認) | [polleverywhere.com/plans](https://www.polleverywhere.com/plans) | [mentimeter.com/plans](https://www.mentimeter.com/plans) | [slido.com/pricing](https://www.slido.com/pricing/) | [kahoot.com/pricing](https://kahoot.com/pricing/) | [wooclap.com/pricing](https://www.wooclap.com/en/pricing/) | [vevox.com/pricing](https://www.vevox.com/pricing) | [crowdpurr.com/pricing](https://www.crowdpurr.com/pricing) | [pigeonhole.at/pricing](https://pigeonhole.at/pricing/) | [classpoint.io/pricing](https://www.classpoint.io/pricing) | [quizizz.com/pricing](https://quizizz.com/pricing) |
| 際立った機能 | PowerPoint・Slidesアドイン | ワードクラウド・スライド作成 | 得票上位のライブQ&A | クイズ番組型の形式 | 「ブレインストーミング」・LMS連携 | 匿名投票・アンケート | 大画面向けトリビア機能 | モデレート付きイベントQ&A | PowerPoint内で完結 | 自分のペースで進むゲームモード |
10ツールの個別紹介
1. Poll Everywhere。 複数の大学が授業用に導入し、活用方法を公開しているWebベースのARSです。スタンフォード大学やペンシルベニア大学などが含まれます。アンケート、クイズ、ワードクラウド、Q&Aに対応し、PowerPoint・Googleスライドのアドインを使えば、既存のスライドにライブ質問をそのまま差し込めます。無料プランは聴衆の人数に上限がありますが、有料プランは発表者ごとに拡張できます。スライドで発表する講師や研修担当者に向いています。
2. Mentimeter。 ワードクラウドで知られるスライド型のツールです。Mentimeter上でインタラクティブなスライドを作成し、聴衆は menti.com でコードを入力して参加します。無料プランは月あたりの参加人数に制限があり、有料プランでインポートやエクスポートが解放されます。会議やワークショップを進行するファシリテーターに向いています。詳しくはMentimeter の代替ツールのまとめで、真正面から比較しています。
3. Slido。 現在は Cisco 傘下の Slido は、聴衆の投票つきライブQ&Aを軸としています。大規模な会議でも、支持を集めた質問が上位へ浮かび上がります。アンケート、クイズ、ワードクラウドにも対応し、Webex、PowerPoint、Googleスライドと連携します。G2やCapterraでも高評価です。フリーミアム型で、イベントごとに人数の上限があります。
4. Kahoot!。 クイズ番組型のツールです。鮮やかな色、音楽、カウントダウン、ランキングが、復習を勝負に変えます。スタンフォード大学の教育リソースは、「Kahoot は、学習単元に入る前の理解度を手早く楽しく測る方法になり得る」と述べています。無料プランは基本的なクイズをカバーし、有料プランで質問形式や大人数への対応が加わります。Kahoot の代替ツールガイドでも比較しています。
5. Wooclap。 授業向けに作られ、「ブレインストーミング」ウォール、LMS連携、20種類以上の質問形式を備えます。大学がすでに運用しているシステムに組み込めるため、講師は Moodle や Canvas を離れずに質問を出せます。あるSoftware Advice のレビュアーは、「使いやすさが素晴らしい」「今では学内で最も広く使われているツールです」と書いています。少人数のクラスなら無料で、教員ごとの有料プランもあります。
6. Vevox。 エンタープライズと高等教育を狙ったツールで、匿名のライブ投票にアンケートとQ&Aを組み合わせています。高い匿名性とデータ管理を打ち出しており、名前が紐づくと本音で答えてもらえないような場面に向いています。社員が士気を評価する全社ミーティングや、率直な採決が必要な役員会などを想像してください。フリーミアム型で有料プランもあります。
7. Crowdpurr。 イベント重視のARSで、大画面とライブトリビアのために作られています。スマホ主導のクイズ番組、ランキング、大規模な聴衆参加をさばけるため、講義よりもバーのトリビア司会や社内の忘年会に向いています。フリーミアム型で、料金は「エクスペリエンス」の規模で決まります。
8. Pigeonhole Live。 モデレート付きのQ&Aとライブ投票に特化した、カンファレンス・イベント向けのプラットフォームです。複数セッションにまたがる進行のなかで質問を管理するツールも備えます。大規模イベントではモデレーションが重要で、プロデューサーは質問が画面に映る前に選別できます。基調講演のQ&Aを脱線させないためです。フリーミアム型で、イベント・エンタープライズ向けプランがあります。
9. ClassPoint。 PowerPoint内にインタラクティブなクイズや投票を直接追加できるため、教員はスライドから離れる必要がありません。授業一式がすでに .pptx にまとまっているなら、別のツールで作り直させるのではなく、作成済みのスライドにそのまま双方向性を足せます。無料プランに加え、教員ごとの有料プランがあります。
10. Quizizz。 小中高で広く使われているクイズプラットフォームで、自分のペースで進む「宿題」モードやゲーム的なプレイを備えます。生徒は自分の速さで問題を解き進めることも、ライブで競うこともできます。教員は同じクイズを、ある日は課題として、翌日はライブ復習として使えます。無料プランのほか、学校向け・有料プランもあります。現在のプレイヤー上限は料金ページで確認してください。
注目の1つ:ネイティブで参加コード不要の選択肢
上で紹介したツールの多くは、ビデオ会議の「中」ではなく「横」で動くため、参加者は別の端末やブラウザタブで回答します。投票の埋め込みに関するあるr/Zoom スレッドでは、あるコメント投稿者がこう述べています。Slido や Mentimeter のようなサードパーティ製ツールを使うと、「その場で答える代わりに、参加者はいちいちスマホを開いて参加しなければならなくなる」。これとは異なるアプローチを取るのが、ブラウザベースの空間型ミーティングプラットフォーム Flat.social です。すでに空間ルーム、近接オーディオ、リアクション、画面共有、共有ホワイトボードが使え、通常のカンファレンス型ビデオルームも備えています。投票・クイズ・ライブQ&Aを備えたインタラクティブなプレゼンテーション機能は近日公開予定で、まだリリース前のロードマップ段階です。
注目に値する点は、この機能が会議の「中」に組み込まれるため、公開時には参加コードも2台目の端末も不要になることです。参加者はすでにルーム内で認証済みだからです。まだライブのオーディエンスレスポンスシステムではないため、上のリリース済みツール比較には含めていません。プラットフォームの現時点の機能については、インタラクティブなプレゼンテーションツールとバーチャルイベントプラットフォームのページをご覧ください。
料金に関する注記:プラン構成は、表内にリンクした各ベンダーの料金ページに基づき2026年7月時点で確認しています。プランや上限は頻繁に変わるため、契約前に必ずベンダーのページでご確認ください。
最適なオーディエンスレスポンスシステムの選び方
聴衆の人数、必要な質問形式、そして発表する場所に合ったシステムを選びましょう。契約前に、このチェックリストに一通り目を通してください。
- 参加人数の上限と無料プラン。 どの無料プランにも、回答できる人数の上限があります。25人のクラスならたいていの無料プランに収まりますが、500席のタウンホールは収まりません。まず上限を確認しましょう。ツールを絞り込む最速の方法だからです。
- 端末とダウンロードの要否。 聴衆がアプリのインストールなしに、どんなブラウザからでも参加できるか確認しましょう。QRコードや短縮リンクでの参加は、セッション中にアプリストアを探させるより優れています。
- 必要な質問形式。 選択式アンケートはどのツールでも使えます。ワードクラウド、ランキング、クイズのランキング表示が必要なら、支払う予定のプランでそれらに対応しているか確認してください。
- 分析とエクスポート。 セッション後に結果を Excel や PDF でダウンロードできますか。参加度を採点する教員も、スポンサーへ報告する主催者も、どちらもこれが必要です。
- 匿名性。 デリケートなフィードバックには匿名回答を、採点するクイズには名前つきの回答を探しましょう。質問ごとに切り替えられるツールもあります。
- 連携。 PowerPoint、Googleスライド、Zoom、Teams と連携する無料のオーディエンスレスポンスシステムなら、タブを行き来する手間が省けます。すでにスライドで発表しているなら、スライド内でライブ質問を動かせる PowerPoint 向けのオーディエンスレスポンスシステムを選べば、発表中に Alt+Tab を押さずに済みます。ここでは PowerPoint アドイン対応ツール(Poll Everywhere、ClassPoint、Slido)が最も重要になります。
- 自分の規模での料金。 フリーミアムのプランは発表者ごとの課金なので、部署全体だと個人の教員より高くつきます。実際に購入する席数で料金を見積もりましょう。
この7つの点を、理想のイベントではなく実際のイベントに当てはめれば、たいてい候補は自然と絞られていきます。
オーディエンスレスポンスシステムが向いている人(と、見送っていい人)
オーディエンスレスポンスシステムが最も効果を発揮するのは、放っておけば沈黙してしまうグループに話しかけるときです。毎週同じ顔ぶれに話す場合や、一方通行のお知らせを流すだけの場合は、導入の手間に見合わないかもしれません。ここで正直に線引きしておきましょう。
ARSを最大限に活かせる人:
- 教員・講師。 ライブのクイズや投票が、講義を理解度チェックに変えます。手を挙げないような内気な生徒も、スマホでなら答えてくれます。
- 研修担当者・ファシリテーター。 数スライドごとの投票が、次のモジュールに進む前に「会場がまだついてきている」ことを教えてくれます。
- イベント・カンファレンスの主催者。 投票つきのライブQ&Aが、列で一番声の大きい人の意見ではなく、聴衆全体が本当に気にしている質問を浮かび上がらせます。
- タウンホールを運営する管理職。 匿名投票が、「何か懸念はありますか?」というメールでは決して得られない、士気に関する本音を引き出します。
見送っていい人:
- 一方通行の発信者。 議論なしにポリシー更新を読み上げるだけの役割なら、ARSは誰も必要としない手順を増やすだけです。
- 少人数の定例スタンドアップ。 互いに口を挟み合う5人のチームは、すでに十分に意見を出し合っています。投票はやりすぎです。
- 端末やWi-Fiを保証できない場合。 会場の半数にスマホや電波がないなら、Webツールは摩擦を減らすどころか生み出します。クリッカーキットが今も勝つ、唯一の場面です。
手早く判断するコツがあります。発表する相手を4つのタイプに思い浮かべてみてください。すでに自由に参加してくれる層、内気で黙ってしまう層、関心が離れている層、そして人数が多すぎて誰も発言できない層です。オーディエンスレスポンスシステムが最も役立つのは、後ろの3つです。最初の層には、ほとんど必要ありません。理想の会場ではなく実際の会場にツールを合わせれば、それが自分の道具箱にふさわしいかどうか、1回のセッションで分かります。
授業でのオーディエンスレスポンスシステム
授業では、オーディエンスレスポンスシステム(クラスルームレスポンスシステム、または学生応答システムとも呼ばれます)が、講義を双方向のやり取りに変えます。教員は、形成的評価、ライブクイズ、出欠確認、そして手を挙げずに内気な生徒を参加させることに活用します。クラスが理解できたかどうかを推測する代わりに、教員はそれを画面で確認できます。
最大の効果は形成的評価です。講義の途中の手早い投票が、クラスがどの概念でつまずいたかを正確に映し出すため、教員は試験で判明する前に、その場で教え直せます。このリアルタイムの手がかりこそ、多くの大学がこうしたツールを採用した理由です。コロンビア大学のティーチング・アンド・ラーニング・センターは、教員がまさにこうした理解度チェックにオーディエンスレスポンスを活用する様子を紹介しています。
匿名性も役立ちます。声に出して答えるのは絶対に嫌だという生徒も、スマホにそっと入力するのは喜んでやってくれます。かつて授業用のクリッカーといえば、共用キーパッドのカートを意味しました。今では「クリッカー」は、どのカバンにも入っているスマホそのものです。この変化は、授業用クリッカーの経済性も変えました。教員はもう、端末一式を買って充電し、管理する必要がありません。コードを共有し、匿名切り替えを使えば、採点するクイズでは名前つき、間違ってもいい確認テストでは匿名、と質問ごとに決められます。
300席の大講義室を想像してください。ヌウォス教授は統計学を教えていて、昼食後のだれた空気を感じ取ります。そこで投票を1つ出します。「このデータセットの中央値は?」——スマホが取り出され、30秒で回答が集まり、棒グラフは3つに割れた結果を示します。教授はその場で問題を解き、もう一度投票します。今度はほぼ全員が正解します。ビデオ越しに授業を行っているなら、バーチャルカンファレンスをインタラクティブにする方法のガイドが、リモート授業でも同じ考え方をカバーしています。
無料のオーディエンスレスポンスシステム
主要なツールはどれも無料プランを用意しているので、聴衆が上限に収まりさえすれば、支払わずに本番のセッションを実施できます。ただし落とし穴は必ず、参加人数の上限と、どの質問形式が有料プランの向こうにあるか、です。
- Mentimeter と Poll Everywhere は、どちらもアンケート・クイズ・ワードクラウドをカバーする無料プランを備えていますが、回答できる人数に上限があります。
- Kahoot と Quizizz は、基本的なクイズゲームが無料です。これが、教室でよく見かける理由です。Quizizz は、多くの単発ツールより大きな無料ゲーム規模を許容します。現在のプレイヤー上限は料金ページで確認してください。
- Slido と Vevox は、単発の小規模な会議やQ&Aに十分な無料イベントプランを提供しています。
会場を満たせる無料のオーディエンスレスポンスシステムを探すなら、ベンダーの料金ページで2つの数字に注目してください。参加人数の上限と、エクスポートやレポートが有料限定かどうかです。実施は無料でも分析が有料というツールでも、価値がある場合はあります。ただ、セッション前に把握しておきましょう。
ほとんどの無料プランは、出発点となるテンプレートも用意しているので、空のエディタとにらめっこせずに済みます。Kahoot と Quizizz は、コピーして編集できる共有クイズライブラリを備えています。Mentimeter と Poll Everywhere は、アイスブレイカーやセッション終了時の評価といった定番の場面向けに、投票やワードクラウドのテンプレートを提供しています。たとえば、新任のチームリーダー、プリヤさんの場合。初めての全社ミーティングの進行を前に、憂うつになっていました。彼女はできあいの「みんな、今どんな気分?」という投票テンプレートを取り、2語だけ変えて、1分足らずで使えるスライドを仕上げました。ゼロから作るより、テンプレートから始めるほうが優れています。特に、初めてライブ質問を実施するときには。
オーディエンスレスポンスシステムに関するよくある質問
オーディエンスレスポンスシステムを使い始める
適切なオーディエンスレスポンスシステムは、静まり返った会場を、活気ある場へと変えます。それが大講義室であれ、タウンホールであれ、カメラオフのウェビナーであれ同じです。選択を難しく考える必要はありません。次に何をすればよいか、まとめておきます。
- 人数で選ぶ。 参加人数の上限を、登録リストではなく実際の出席者数に合わせましょう。30人にぴったりのツールが、300人ではうまく動かないこともあります。
- 無料プランから始める。 主要なツールにはどれも無料プランがあります。まずは失敗しても構わないセッションを実施し、聴衆の反応を見てから、上限に達したときだけアップグレードしましょう。
- 理由がない限りWebベースを選ぶ。 クリッカーが真価を発揮するのは、Wi-Fiのない部屋や厳格な試験の場です。それ以外の人には、買って運ぶキーパッドより、誰かのポケットに入っているスマホのほうが勝ります。
- 質問形式を目的に合わせる。 手早い投票がほしいなら投票を。アイデアがほしいならワードクラウドか自由記述を。盛り上がりがほしいなら、ランキング表示つきのクイズを実施しましょう。
次のセッションで、1つ試してみてください。質問を1つ出し、回答が集まる様子を眺め、会場が目を覚ますのを見届けましょう。それこそが、オーディエンスレスポンスシステムの本質です。
Poll Everywhere は Poll Everywhere, Inc. の商標です。本サイトは Poll Everywhere, Inc. と提携・承認・後援の関係にはありません。Mentimeter、Slido、Kahoot!、Wooclap、Vevox、Crowdpurr、Pigeonhole Live、ClassPoint、Quizizz は、それぞれの所有者の商標です。
What Is Flat.social?
A virtual space where you move, talk, and meet — not just stare at a grid of faces
Walk closer to hear someone, step away to leave the conversation